2020/11/18 13:48

パトラジェムのジュエリー(作家Aコース)の制作には、
3ヶ月の納期をいただいています。
この3ヶ月という時間について今日は書いてみようと思います。
これを読んでいるみなさんにちょっと聞いてみたいのですが、
ジュエリーを作るのに、どれくらいの時間がかかると思いますか?
・・・と、こんなことをお聞きするのも、
納期に3ヶ月をいただいています、というお話をすると
「そんなにかかるんですか?!」とおっしゃる方もいらっしゃるので、
少しわかりやすくご説明できればな、と思いました。
そして、
・・・・その答えは。
「作る人、作り方についての考え方によって違う。」
だと私は思っています。
これまで自分もジュエリーやブーツなどオーダーしたことは多くありますが
店頭でお店の方やブランドの担当者に希望を話して
それをお店やブランドの方が作る人に伝える・・・というやり方が一般的です。
その場合、作る人に私の姿は見えません。
私がどんな人かもわかりません。
おそらく、作る人には「仕様書」のようなものが渡されて
それに従って作る、ということになるのだと思います。
そこで作られるものは、
熟練の職人が作る、良い「モノ」です。
その「モノ」がオーナーに届き、そこから
その「モノ」とそれを持つ人の関係が始まり、
その人とモノの関係が熟成されていくのだと思います。
着込んだジャケットが、だんだんその人の体に、肌に馴染んでいくように。
さて、
パトラジュエリーはどうかというと。
作家Aコースの場合、
作家さんと私パトラとお客さまがまず顔を合わせて
お似合いになる、そしてそのかたの人生の後押しをしてくれると思われる石を選び、
そしてジュエリーもそのコンセプトで作られています。
作家さんはブラックボックスです。
そのクライアントさまの存在、と、選ばれた石、がそのブラックボックスの中に入れこまれ
そのかたの現状が解釈され、数え切れないほどのジュエリーの作り方の
どこが、どのあたりがそのかたにぴったりくるのかが
しっくりとマッチングしていくまで、言ってみれば「熟成」を待ちます。
その「熟成」の間、
作家さんは、イメージを膨らませるために
本当にたくさんの数の資料をインプットし続けています。
時には、そのかたのイメージに合う世界を確認するために
美術館に行ったり、彫刻やアートの写真集を探しに行ったり
時には自然の要素を取り込むために野山に行ったり
そんなこともされていると聞いています。
私と作家さんは、毎週、各クライアントさまのジュエリーの進捗状況について
打ち合わせをします。
その度に、お一人お一人を思い浮かべます。
このかたのリングについては、
まだ腕のテクスチャをどういうイメージにするか妄想している、とか
全体のイメージをもう少し膨らませているところ、とか
そんな話をします。
その話し合いをすることで、
毎回、その方のジュエリーが
そのかたにとって最も良いタイミングで、
そのかたの「いま」に最もぴったりに出来上がるように、届くように、
ということを祈ります。
つまり、そのジュエリーの制作を受けているその3ヶ月間は
そのクライアントさまは私たち制作陣から、
そのかたの人生が最も良い方向に進んでいくようにという「祈り」を
向けられ続けているのです。
(その祈りはジュエリー完成とともに、ジュエリーという形となりそのかたに寄り添い続けます)
そして、出来上がったジュエリーは、3ヶ月の期間
その人を感じ、作られているので
その人の「いま」に合わせられて作られています。
ですので、
これまでずっと着けていたかのようにそのかたに馴染み
古くからの友達だったように、そのかたに寄り添ってくれるはずです。
そんなジュエリーを、私たちは作っていきたいと思っています。
納期の話をする時に、こういったお話をできるだけお伝えしようと思っていますが、
いつも対面イベントの最後は時間がバタバタしてしまい、
お伝えしきれないことから、ブログに書いてみようと思いました。
添付した写真は、最近仕上がった
お客様のオーダー品です。
三つの石のリングは、
この三つの石がそのかたのための花冠になるように、とイメージして作られています。
花冠、というのは色々な意味合いが含まれていると思います。
お花の冠、というのは小さな女の子の持っている、そのかたの純粋な部分に呼応します。
そして、ティアラというのはその方をご自身の世界のお姫さまにする、ということも含まれます。
対面イベントでこの花冠を構成しているイエローサファイアを着けた時
クライアントさまの高貴さがグッと前に出るのがよくわかりました。
(そこにいた全員がそれを感じました)
ご自身が、あまりに当然すぎて自覚していらっしゃらない
「可愛らしさ」「高貴さ」「純粋さ」を
この花冠は表現しています。
この冠を完成させるのに
作家さんは時間をかけてティアラのイメージを膨らませ、
角度ひとつまでそのクライアントさまを思い、丁寧に試行錯誤して作られたと聞いています。
できるリングは一個のリングですが、
それができるまでにはたくさんの思いや祈りがあります。
それが、パトラジュエリーの納期の3ヶ月、になります。
私は、このジュエリーをとても特別なものだと感じています。
そのため、作家Aコースのジュエリーのコースを
「その人の人生に寄り添う」ジュエリー制作プラン、としています。
詳細はこちら→https://patragem.thebase.in/items/29891415
こんな特別な体験をしに、対面イベントにいらしてみてください♪
東京の12月のイベントはまだ空きがありますよ^^
https://patragem.thebase.in/items/36154997