2021/09/16 14:13
しばらく更新が滞っておりましてご無沙汰しております。
この一ヶ月くらい、ちょっといろいろ考え込んでおりました。
ある方が、SNSでパトラジェムに出品の石を指して、一般の人も購入できる海外のネットオークションで購入しているということを指摘され、「転売業社」とされているのを見ました。
ご覧になった方もいらっしゃるかもしれないので、これについて私の考えを書いてみようと思います。
少し長くなりますがお付き合いいただけたらと思います。
書き込みを読んで、「転売」の定義って一体なんなんだろうな、と考えました。
新しいところでは、マスクや消毒液が買い占めされ高値で売られていて買えなくなって困ったことがありましたね。
また、希少なモデルとされる服や小物、バッグなどを並んで買い、それを高値で自分のサイトで売るとかそんな話も聞いたことがあります。
私の認識では、人気のあるものを買ってきて付加価値をつけて定価よりも高く売る、ということかなと考えています。
(どのケースがいいとか悪いとか、そういうジャッジは置いておきますね)
でも、それも人によって認識が違うんだな〜と思った次第です。
書き込みをされていた方は、偶然にも私と同じ石に入札をされていたことで気づいたそうです。
心情としては、なーんだ、パトラジェムの人、私の見ているサイトで買ってるのか!ならここ(パトラジェム)で買う意味ないじゃん!
ということだったんではないかなと思います。
お気持ちはとてもよくわかります。
その方はご自身で石を見極めて海外サイトでお買い物をする力があるのですし、それはいいと思うのです。
しかし、私は「転売」をいう冠をかぶせられることには疑問があったので、国内外の宝石を扱っている会社の、懇意にしている方複数にご意見を聞いてみました。
私がパトラジェムでどういうことをやっているかを話してみると、全ての方に、「それはセレクトショップだよね」という意見をいただきました。
(「パトラジェムさんが転売なら、うちも転売だよ笑」と言ってくださった方もいました。)
そこで気づいたことがありました。
私は、パトラジェムで自分がやりたかったことのそもそも、をまだお伝えしていなかったのではないか、ということに。
何回かこちらでも書いてきていますが、私は長くファッションコンサルタントとして活動してきました。
その仕事でやっているのはお客様のお洋服を選ぶことですが、その仕事のキモは、その人を「お洒落」に仕立て上げることではありません。
私は、その人その人には必ず、その人の「本質の魅力」というものがあると思っています。
でも、残念ながら多くの方はそれに気づいていないことが多いです。そして自信を持てずにいる。
私は、全ての人にご自身の魅力、素晴らしさに気づいて欲しいと思い仕事をしています。
それを、似合うお洋服を着ていただくことでご自身の目で自分の魅力に気付いて欲しいと思い、コンサルタントの仕事をしてきました。
昨年パトラジェムを始めたのは、そんな活動を、服のみならず自分がずっと好きだった宝石でやってみたい、と思ったことがきっかけでした。
最初は直接お客様とお会いする場を設けてやってきましたが、このご時世なかなかそれも難しく、ネットでの石の販売を強化していくことになりました。
私が石を選ぶときに重視しているのは、一般的な「これが価値がある」とされる濃い色や透明感、希少性などで判断するのではなく、その石の持っている全体的なバランスで魅力を見ています。
一般的に「価値が低い」と思う方もいらっしゃるインクルージョンのある石であっても、私がそれを美しいと思えばパトラジェムでご紹介しています。(加工に影響がなさそうと私が思ったレベルで選んでいます)
これは、人間が目鼻立ちが黄金律に整ったスタイルのいい美女だけが魅力にあるのではないのと一緒の考え方です。
雰囲気がいい、色・形・大きさのバランスが良いなど、魅力というのは一口で言えるものではないと思うのですが、私が長く仕事で培ってきた目でそれを見ていると思っています。
私は写真家とファッションコンサルタントになる前は通訳者として長く働きました。その際に海外にも多く行き、たくさんの美術館も行きましたし、老若男女本当に様々なカテゴリーの人にもお会いしました。
国王レベルや大統領、大臣、大使のような方もいれば、日本にやってきた留学生の方、研究者、障害のある方、本当にいろいろでした。
そういう経験の中で、「なにが美しいのか」というのはいつも自分のテーマとして持っていたところがあります。それは人についても物についてもです。
自分なりに、美しさは「バランス」と「そこに漂うもの」である、という感覚のもとに、服を選んだり宝石を選んだりしています。
「漂うもの」というのは言葉で表すのは難しいのですが、長くいろいろな物をみてきて、そういう「なぜかグッとくる」ものを漂わせている物があると思っています。
そして、パトラジェムの石を選ぶときは、これも前に書いたことがあると思いますが、私はそれがいい、となったらどこからでも選びます。
それは、より良いものを選ぶために、選択の範囲を狭めたくないからです。
直接海外の方や業者さまからの仕入れもしていますが、海外のオークションにいいものがあれば買います。
ただ、その際に必ず相手の方とやりとりをしてどのような方(会社)かということは把握して、誠実な仕事をしていると感じ、この方から買いたいと思うところから買うようにしています。
それは自分が大事にしているところです。
さて、そうして石を仕入れて今度はパトラジェムに商品として紹介するわけですが、その際に注意をすることは、私の調子が悪かったりして余計なものが乗っからないように、自分の心と体調を整えて撮影や文章を書くということです。
そのために投稿の間が開いたりしますが、調子が悪いときには無理に表現の分野の仕事をせず、事務作業などの淡々とできることをやっています。
調子がいいときに撮影をするにあたり、これは私の20年の写真家としての経験から言えるのですが、こっちの調子がいいと、被写体(パトラジェムの場合は石)に、なにかこう、スイッチが入るような感じがします。
これは長く植物の写真を撮っている私が感じてきたことですが、こちらが相手を思う気持ちで写真を撮ると、植物がなんというか「やる気」を見せてきたりします。(言葉でうまく説明できないのですが・・・)
石もそうで、うわあー綺麗だなあ、と思って撮っていると、もっとキラキラしてきたりする気がします。(これはどう思っていただいてもいいですが私はそう感じていますし、写真家の間では少なからず聞く話です)
そうやって被写体との共同作業でパトラジェムの写真は撮影されている、と私は思っています。
実際に石をお買い上げいただくと、お客様お一人お一人にプチギフトの石を選びます(1回目のご購入の方は石以外のものをプレゼントしています)。
それも、お会いしたことのないその方を思いながら丁寧に選ぶようにしています。余った石をおつけしているのではなく、そのために仕入れをしています。
梱包は石のイメージに合わせたラッピングをするのですが、その際にもお買い上げになった石がそのお客様をサポートしてくれるように、と思いながら気持ちを整えて梱包するようにしています。
その時間はそのお客様のことだけを考えています。
そうした一連の仕事をすることに、私はたくさんのエネルギーを注いでいますので、それに対する対価を利益としていただいていると思っています。
それが、私が買った値段とパトラジェムの価格の差、になります。
それを「転売」と言われたり、儲け目当てでやっていると書かれるのは、とても悲しいことです。
でも、いろいろな方がいていろいろな意見を持つことは自由だと思うので、それを止めることはしません。
ただ、私だけではなく事業をされているどの方であっても、そこにはそれぞれの目に見えない思いがあるということを考えて、画一的なものさしで一概に非難したりすることは避けてほしいなと思っています。
私が書いてきたことをご理解いただいて、その上でパトラジェムはいいな、と思っていただける方に、これからご利用いただければと思います。
長くなりましたが、私の考えを聞いてくださりありがとうございました。
また、少しずつ復活しつつ投稿していきたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。